【特別書き下ろし】憾婚(いこん)

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2 智太郎が全国放送でさらしものにされたことが原因で、本村の家は家庭崩壊の危機にさらされていました。 テレビ番組で取り上げられた被害者男性に支払う700万円の原資については、すぐに用意することができないので、智太郎が働いて少しずつ返して行くよりほかはありませんでしたので、茂吉夫婦の知人からの紹介で田代外町にあります大手製薬会社の工場に再就職をしまして借金の返済のために働くことにしました。 かせいだお給料の中から借金を返済するために、与えられる金額は1万円のこづかいだけ…毎日送迎バスに乗りまして自宅と工場の往復だけ…与えられた仕事は、段ボールの箱折りだけ…借金が完済するまではなにもかもをガマンすること… 智太郎は、家族とそのようなヤクソクをしましてもう一度人生をやりなおして行くことになりました。
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