平凡ですが何か

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俺の怨念の籠った視線には気付かず、ホストもとい古河先生は気怠げに話を切り出した。 「あー、今日は転校生が来てる」 その一言で、再び教室がザワつき出す。 「はいはい、静かにー」 全く静かにさせる気がない言い方で生徒を静かにさせ、入り口の方に向かって「入れ」と声をかけた。 戸を開けて入って来たのは── 「……マリモ?」 いかん。思わず呟いてしまった。まあ誰も聞こえてないだろうけども。 「何あのモジャモジャ~」 「期待して損したぁ~」 「王道ktkr!!」 誰だ最後の。腐廃物紛れ込んでたのかこのクラス。 ……まぁそれはいいとして、酷い言われ様だなおい。確かにあのマリm……個性的なヘアスタイルに瓶底眼鏡という風采は特筆すべきものではあるが、人となりもわからないうちにここまで言うのはいかがなものか。 それにしても、あの髪型はどうなってんだ……? そしてあの眼鏡はどこで買ったんだ? 色々と衝撃的な転校生だ。 ──ところがどっこい、驚きはこれで終わりではなかった。 「え!? もう1人!?」     
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