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「亮っ! ど、どどどうしたんだ!?」
あわあわと駆け寄って来るのは椎森だ。後方に目を開けたまま死んだ西嶋。それを撤去する安定の出来る男三上。あ、腹を抱えてサイレント大爆笑をしている孝希が見える。あいつ……後で菓子類巻き上げてやる。
「歩けない程具合悪いのかっ?」
不安気に尋ねるボンバーヘアをもふもふと撫で、「大丈夫だ」と宥める。こんな状態じゃカッコつかないけどな。
「ちょっと力入らねぇだけだ。昨日のが結構キツくてな」
「あ……」
ボンッと音がしそうな赤面の仕方をし、椎森は首がもげる程頷いた。その様子に若干教室のざわめきが戻って来る。
──しまった。
今のであらぬ誤解が生まれたかも知れないと気付いた時にはもう遅かった。
「えっ!! 亮たんまさか、椎森君に「違う」
食い気味に否定するが、俺を抱えたままの梶本はニヤニヤキラキラぐ腐腐腐と忙しい。腐った脳味噌の中でナニが繰り広げられているのか想像もしたくない。
憎たらしい弛んだ顔を睨み付けていれば、ぼそぼそと囁き合う声が耳に入る。
「マジかよ」
「佐藤がソッチ側だったか……」
「だよな。逆っぽいもんな」
「Sに攻めてくれそうだもんね。んふふふふふ」
黙れクラスメイト共(特に最後の奴)。俺のケツは未来永劫清き乙女だぞ。
──と、いうような事を口に出せるわけもなく。くそ、梶本の馬鹿野郎っ。無駄にデカい声で言いやがって。
「おい梶本っ、とりあえず俺の席に座らせろ」
「え、もうちょい俺の感触楽しまない?」
「死にたいのか」
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