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教室に入ると、妙なザワつきを感じた。どこか浮足立っているようだ。
「転校生ってどんなヤツだろうな」
「カッコイイ人がいいなぁ」
「僕もー。爽やか系がいいな」
「俺は可愛い子がいい」
ほー、やっぱ転校生の事か。……それにしても男ばっかの中でこの会話ってどうよ。
ひとつ欠伸をし、席に着く。
俺の席は左隅の窓際。孝希とは離れている。つまらない授業ではボーッと外を眺めていられるし、この時期にはいい昼寝スポットだから結構お気に入りだ。
「ふぁ……眠……」
また欠伸をひとつ。
昨日本読み過ぎたんだよなぁ……完全に寝不足だわ。俺、ショートスリーパーじゃねぇんだよ。うぅ……眠い……ちょっとだけ寝るk
「キャアァァァァ!!!!」
うおぉ……み、耳が死んだ……
よくこんな声出るな。男だよな?
強制的に一気に覚醒させられ前を見ると、ホストがいた。
「あー、静かにしろー」
このやる気のない男は、俺たち2年A組の担任、古河圭志。見た目はまんまホストである。ただ、髪を盛りに盛ったいかにもアホ臭いホストではなく、清潔感を保ちつつカッコイイ着崩し方を極めた感じだ。ブリーチした茶髪も傷んでいない。加えて美形だというのが非常にムカつく。ただのイイ男じゃねぇか爆ぜろ。
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