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圧倒的イケメン力の差にうちひしがれながら、個室に案内される。
「では、ごゆっくりどうぞ!」
しかし、バイトのお姉さんが扉を開けてくれた瞬間、目の前に広がる光景にイケメン力の差などというものはブッ飛んだ。
「猫!!」
個室の割に広い部屋の中は猫猫猫猫猫……猫だらけだ。
三毛にキジトラにマンチカン、メインクーン、スコティッシュフォールド……ありとあらゆる種類の猫が集結しているではないか。その中にはなんと、俺が一目惚れしたあの看板の真っ白なペルシャ猫もいた。首輪が同じだ。間違いない。
にゃーと可愛く鳴きながら近付いて来てくれたそのペルシャ猫をガバッと抱き上げる。綿菓子のような毛皮に頬擦りすれば、目を細めて甘えてくれた。
「ふわふわ! 可愛い! やべぇ可愛い!」
サヨナラ俺の語彙力。
「西嶋も触ってみろよ! すっげぇふわふわ!」
──パシャッ
「ぐぅっ……くそ……っ」
──パシャパシャパシャ
こちらにスマホを向けて連写する西嶋。
そうだろうそうだろう。連写したくなる可愛さだろう、この猫は。気持ちはわかる。
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