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平凡ですが何か
俺という男はつくづく平凡である。
成績は常に中間をキープし、イベントにはそこそこに参加し、出過ぎず目立ち過ぎず生きている。中学生の頃まではここまで徹底した平凡ライフではなかったのだが、諸事情によりこういうキャラクターを確立したのである。幸い、俺の名前は佐藤亮。高校生になって初めて、無難かつ悪目立ちしないこの名前に感謝したものだ。
そこまで息を潜めて過ごす必要がある学校とは何なのか。それは追々わかってくれるだろう──
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「亮、おはよう」
パシッと背中を叩かれる。
「はよ。今日はルームメイト君一緒じゃねぇのか」
振り向くと、いつもの顔。俺は欠伸交じりに答える。
「おー、先に行った。当番があるとか何とか」
「ってかいい加減名前ぐらい覚えてやれよ」と苦笑するのは、俺の数少ない友人である斎藤孝希である。こいつとは小学校からの付き合いで、いわゆる幼馴染。親友と言っても差し支えないだろう。
「しっかし、無駄に敷地広いよなぁ……」
「まったくだ」
マジでどういう金の使い方してんだか。
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