腐男子降臨

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腐男子降臨

桜田斗羽と椎森夏樹が転校して来てから丁度1週間。俺は変わらず無難な日々を送っている……つもりだ。 「亮!! 食堂いこーぜっ!!!」 弁当を食べに行こうと席を立つと、キンキンと頭に響く声に呼び止められた。 くっそ……またコイツか。 桜田はあの名前教えろ攻撃以来、何故かこうして絡もうとトライしてくる。後ろには一匹狼こと辻川(つじかわ)(しゅん)と、爽やか君こと四条(しじょう)優紀(ゆうき)、そして俺以上に目立たず過ごしていたはずの吉原(よしはら)和人(かずと)が控えている。家臣か何かかお前らは。もっとも、吉原は嫌々という感じだが。 「行かない。弁当持ってる」 マンモス校のこの学園では、いくら大きな食堂だといってもいつも満席になる。そこで弁当持ちの生徒が席を占領するというのは、ただただ迷惑だ。俺も何度かイラついた経験がある。 「持って行けばいいだろっ? な、いこーぜ!!!」 だがしかし、残念ながら桜田君はそこまで頭が回らないらしい。
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