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1.
昨夜は、あいつが夕飯当番だった。
電子レンジメニューも、続々とレパートリーが増えている。料理をするという行為は、あいつにとっての良い息抜きになっているようだ。
近頃では、『常備菜』を小さめのタッパーに作り置きする、という新しい楽しみも増えた様で、冷蔵庫の中には同じサイズのタッパーが整然と並んでいる。
例えば俺が当番の日、忙しくて料理がおざなりになりそうな時でも、頑張って主菜だけ拵えればあとは何とかなる。副菜に関しては、それらの『常備菜』タッパーを覗いて主菜とバランスの良さそうな料理を小鉢に盛り付けることで、あっという間に体裁が整うのだ。
昨夜のメニューは、『ムネ肉チャーシューの煮卵添え』だった。
汁物は朝食用に俺が多めに作っているから、それを温めるのがこの家のデフォルトだ。（味噌汁はレンジじゃ作れないしな）ご飯は休日に炊いたものを小分けにして冷凍庫に保管してあるから、食べたい分だけレンチンする。副菜は、『人参のシリシリ』と『小松菜のナムル』だった。どちらもご飯が進む、絶妙な味付けだ。
「バランスの取れたメニュー構成だな」と褒めるたら、照れ臭そうに微笑んだ。俺がクラっと来る、あの表情だ。
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