第二話 【黒き亡霊《ブラック・ゴースト》】―ロクデモナイシンジツ―

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「ところでお二人とも、何故地球の陸地が2割まで減少したのか知ってますか?」 「おい、いきなり話を変えるな」  イラつく弥生を黙したまま手で制し、雨宮が答える。 「地球温暖化、ではないのだな? その聞き方は」 「はい、違います」  ソルトはPDFにとある資料を表示して二人に手渡す。 「新暦以前の記事です。地球温暖化によって海面上昇するという記事ですね」  内容は【温暖化による海面上昇、消える砂浜】と書かれた記事だった。 「新暦以前でも話題になっているのか。やっぱり深刻な問題だったんじゃねえか?」 「そんなわけ無いでしょう。お茶の間の時間潰し程度の内容ですよ、それは」  ソルトに指摘されて、再度記事を見返す。  『温暖化によって南極、北極の氷が溶けると海面が上昇して世界各地の砂浜が沈んでしまうことが問題となっている』と記載されているが、内容は今の自分が見る新聞と同程度、つまり【普通のニュース】として記載されている。
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