第二話 【黒き亡霊《ブラック・ゴースト》】―ロクデモナイシンジツ―

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 * 人類軍基地・慰霊碑前 「んー、こーれーはー……」  慰霊碑を前にして、心夜は見上げる様に眺める。  実際、10m近い大きさの巨大な岩石を削り出した慰霊碑は、全体を把握するには見上げる必要がある。  3年前の【NM(ニューマン)襲撃事件】の最初の戦闘場所に立てられた慰霊碑は、例外的に一般解放されており、参拝客が何時でも来られるように配慮されている。  それを聞いたとき、スノウは「基地の外に建てれば良かったのに」と思ったが、聞いたところ当時の情勢だとNM(ニューマン)の襲撃がいつ起きるかわからないから守りやすい場所として、また避難場所としての役割もあったらしい。  今では避難シェルターは新しく設営されているため、その機能は失われたが、新設する暇も無いのでそのままにしてあるとのことだった。 「丁度この真下ですね、あの時の場所は」  PDFから顔を上げてそう告げる姫華。
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