8人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
「……あの、姫華さん。先程から気になっていたのですが」
「ん? 何かな、スゥちゃん」
姫華はいつものように笑って答える。
スノウは正直に子供扱いしてくる姫華の態度は苦手だったが、取り敢えず横に置いて気になっていることを聞いておく。
「先程からやけに彼と親しげな様子で、【あの時の場所】と言ってますが、どういうことです?」
スノウにとってみれば、姫華と心夜ーー【黒き亡霊】の繋がりは謎だった。
姫華は笑顔を張り付けたまま、明らかに固まって動揺する。本人的にはうっかり素の心夜への反応をしていたことに今気がついた。
ここら辺が心夜の評する【天然】という由縁である。
「……えー、そうね。なんていうか……クロさん!」
「そこで俺に降ると言い逃れできなくなるんだが?」
困り果てて心夜に話題をパスする姫華だが、完全に逆効果である。
最初のコメントを投稿しよう!