第二話 【黒き亡霊《ブラック・ゴースト》】―ロクデモナイシンジツ―

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 * 陽炎・格納庫区画 「ーーなーるほど、それは確かに【私達の専門外】だ」  そう言ってアルトは、「やれやれ時間を無駄にした」とぼやきながらその場を後にする。 「え? いや、まだ話の途中じゃねえか!」  チョッパーがそう言ってアルトを呼び止めるが、アルトは「はぁ?」と振り返りながら、 「んなもん聞かなくったって大体予想は付くだろ。もう既に必要な情報は出そろっているんだからな」  と、それまでの悪態とは違い、心底呆れた様な、ウンザリしたような表情でそう言った。 「私は【機械工学】が専門なんだ。【粒子学】ならまだしも【生物学】に興味は無いし、今後覚える気も無い」 「いえ、あの、今までの話に【生物学】関係ありました?」  シモも突然今までの話に関わりの無い事柄が出てきて、狼狽する。  その様子を見て、「まあ、そうなるわよね」と頷く舞子。そしてーー 「ーーつまりこういう事ですよ」  と、アルトと同じでその先を理解した天野が、震えた声で二人に説明をする。
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