第二話 【黒き亡霊《ブラック・ゴースト》】―ロクデモナイシンジツ―

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第二話 【黒き亡霊《ブラック・ゴースト》】―ロクデモナイシンジツ―

 * 【第一地区(ファースト)】人類軍基地  ーーNM(ニューマン)の群れが押し寄せてきている。  その一報を受けた人類軍は非常警戒態勢に入った。  非番の者だろうと外部委託の人員だろうと使える者は全て使い危機に対応する、それは【第一地区(ファースト)】の住人の総意である。  普段より私闘紛いのお祭り騒ぎを認めているのは、「いざという時に悔いを残さないように日々を生きろ」という雨宮大佐の考えによるもの。つまり「死ぬときは死ね」という覚悟を常に持っているからこその自由であるのだ。  その為、地上軍の兵士達の士気は宇宙軍とは比べ物にならないぐらい高い。いざという時に民間人の盾に為ることを躊躇う者はいない。  住民もその事を知っているから軍に対する信頼は厚い。その為、戦いの邪魔にならないようにすぐに避難するし緊急時には手伝いを買って出るくらいである。  故に、直ぐに発令された緊急警報に迅速に対応して住民達は基地に避難を開始した。
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