一章:君は一体何に命を掛けているんだ

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一章:君は一体何に命を掛けているんだ

「君は…誰なんだ?何故命を掛けているんだ?」 ハッと目を開くと、そこは自分の部屋だった。 先程の事は夢だったのだ、とほっとした。 学校の制服に着替え、支度をして部屋を出る。 「おはよう琉太。」「おはようございます。」 そう、俺の名前は琉太、月宮 琉太だ。聖月谷城学園高等部に通っている成績優秀な男子高校生。…だったはずだった。トーストをスープで流し込み、食器を下げて顔を洗う。それが済むと、自転車に飛び乗って学校へ向かうのが日常だったのを、今日は自転車が故障してしまい、電車に乗って学校へ向かうしかなくなった。それが事の始まりだったのかもしれない。 余裕をもって家を出たはずだったのに、遅刻寸前で教室に到着する。すると転校生が来ていた。「星泉 夕夏です。長野県から来ました。よろしくお願いします。」「星泉さんは月宮くんの隣の席ね。月宮くん、星泉さんに色々と教えてあげてね。」「はい。」星泉 夕夏は肌の白い、肩くらいまでの長い黒髪で眼がくりくりしていて黒縁の眼鏡を掛けている少女だった。     
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