5 息子の苦難

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5 息子の苦難

 ここ数日、2歳の息子が虚空を見つめながら居間で立ち尽くすことが続いた。  彼の顔はやや紅潮し、母である私でも触れようとすればその手を払い除けた。  この闘いに手出しはいらぬ。  彼の決意は固かったが、負け戦が続いていることを母は知っていた。
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