第1章 プロローグ…?で、あってる?

11/14
前へ
/42ページ
次へ
確かに…と、思わないこともないが、ここはノア様の従者として、通さなければならないものがある。 「アホか。俺はあの人を、ノア様を超敬愛してるんだよ。変な言い方すんな。」 俺がそう言うと、翔はため息をつきながら相槌をうつ。 「ふぅん。 …あっそ。でも俺、ノア様と喋ったことないからな。」 確かに翔とノア様が話しているところを見たことがない。こんなにノア様の近くにいる俺が見たことが無いのだから、翔は本当に話したことが無いのだろう。 「喋らなくていい。一生喋るな。」 この言葉は脊髄反射だ。何故かでてきてしまう。 「言うなぁ。お前。ノア様と俺との扱い、天と地の差じゃね?」 それは大いに共感する点かもしれない。 実際、翔は日本でできた唯一の友達だし、俺の本性を知っているのは翔だけだし…。 ノア様は、俺の人生をどん底から救ってくれたお方だから、友達なんて恐れ多い。 「当然だろ。ノア様はオレの恩人なんだ。タメ口で話すとか、呼び捨てとか、出来るわけない…」 本当は呼んでみたい、呼びたい。でも、そんなこと、俺のプライドが許さない。 そんな気持ちが前面に出て、後ろ向きな言葉を呟いてしまう。 「それ、本人に言おうな。でも、あのフレンドリーノア様のことだから、それは許さないんだろうけどな。」     
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加