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その通りだな。実際、ノア様は日本来てから何か変わったところもなく、以前と同じように人に接している。
あの頃から変わってないのだ。ノア様の気さくさは。
「…それな。お前、分かってるじゃん。」
俺はそう言って、少しの笑みを浮かべる。
「これでも俺、お前の友達だよ?なめてもらったら困る。」
友達、か。俺は、その言葉に無性に感動してしまうが、素直に感謝の言葉すら言うことができない。
「は?友達とか、誰が言った?俺はノア様だけのものだ。」
これが俺の悪い癖。素直になれない、つまり、ツンデレというところである。
(デレがあるのかは知らないが)
プラス、俺の願望が出てしまった。
「誰がお前のことを好きだと言った?
誰が自分のものにしたいと言った?
俺とノア様で、お前を取り合うとか、三角関係か?妄想したのか?
自意識過剰だよ、お前は。」
自分でも言ってしまったと思った事を、丁寧に回収してくれる翔に、敬意を表そうとするも、
「うっせぇ。別にいいだろ。」
ツンな部分が先立って出てしまう。
「してたのかよ…。まあ、別になんも言わねぇけどな。」
翔はそこら辺の事情も理解してくれているので、とてもありがたい。
俺は、唐突に、込み上げてきた気持ちを言葉にして紡ぐ。
「好きだ。マジで。」
適切なツッコミをしてくれる翔。
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