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「どこまで、リア充こじらせてんすか。」
リア充か…。…そうだ!俺にはもう、心に決めた人がいるじゃないか!
「…俺には…シャルが…いるもんっ!」
唯一の砦に縋り付く俺。
「これはシャル様も(俺も)大変すね。
ライバルいっぱいいるっすね。」
優吾のこの言葉には、何か裏にあるのかもしれないが、その意味を読み取ることはできない。
「?なんのこと?俺、絶対、女性に男として意識されてないと思う。」
俺は率直な心境を、モテモテ優吾に話してみる。
「それは、アンタのコミュ力が高いからっす。男女間が仲良すぎて恋愛という境界が無くなってるんすよ、アンタの所為で。」
確かに俺はコミュニケーション能力だけは高いと思う。
男女間の距離が近すぎるという考え方もあるのか…。
「まあ、それが俺の唯一良いところなんだけどな。」
俺が自虐を交え、笑顔でそう言う。
「そうっすね。でも、そこが、シャル様の(俺の)最大の心配点だと思うんすけど。」
優吾の言葉をなんとなく理解した俺は、こう答える。
「そう?気をつけよ。シャルに心配されないようにな。」
すると、優吾は何故か不貞腐れたように言う。
「はい。せいぜい、頑張ってください。」
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