第4話

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 彼の長い髪が、白いシーツの上で揺れる度に、パサパサと乾いた音が密やかに響いた。    西園寺の牡を受け入れている肉筒は、絶妙な締め付けで、引き抜こうとするとペニスを留めておこうとするようにすぼまり、押し入るとやわらかくどこまでも受け止めてくれるような動きを見せる。  目元をうっすらと色づかせて、生理的な涙を滲ませているアザミはうつくしく、開いた唇から漏れる吐息ですらも、たとえようのない色香を感じさせた。  他の客に対しては、上に乗り奔放に腰を振ってマウントをとっているであろうアザミを、こうして縛り、組み敷いているという事実が、西園寺の理性を(とろ)かせる。  まだ青く若い実のようなマツバと違い、アザミの体は熟れ切った果実のそれだった。 「ああっ、あっ、あっ、ふ、深いっ」  ひっきりなしにアザミは嬌声をあげる。  恥じらうようにすすり泣くマツバとは、そういうところも違って、けれど西園寺を興ざめさせるような振る舞いではないのだから、さすが、男を悦ばせる手管に長けた男娼だ、と西園寺はアザミを責めながら思った。  アザミの細腰を掴み、ばちゅん、ばちゅん、とペニスをピストンさせる。     
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