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西園寺はそう命じて、自身の快感を追うべく好きにアザミの中を動き回り、限界まで昂ぶったその欲望を、彼の中に解き放った。
「あっ……あっ」
ビクン、ビクン、と大きな震えとともに、アザミも絶頂を味わっているようだ。
とろり、と少量の白濁が、アザミの性器の先端から漏れていた。
西園寺は繋がったままでアザミの肌を這っていた赤い縄を解いた。
うっすらと縄目の残る肌は艶めかしくて、永遠に消えないような痕を残したい気持ちにもさせられた。
いまだ快感が引き切らない震えを見せる手足を、布団の上に投げ出して。
アザミが恍惚とした表情を見せている。
そのアザミの中から、西園寺は無造作に己を引き抜いた。
こぽり、と白濁が溢れかける。
「こぼすな」
西園寺の短い命令に、アザミが子犬のような声をあげて、後孔を締めた。
「俺が帰り支度を終えるまで、そうしていろ」
「……はい」
西園寺は横たわるアザミから体を離し、軽く下半身を拭うと、衣類を身に纏い始めた。
本来であれば客の身支度を手伝うのは男娼の役割だ。
しかしアザミは、体にちからが入らないのか、それとも精液を零すなと言った西園寺の命令を遵守するためにか、しどけない裸体を横たえたままだった。
西園寺がネクタイを締め、隙のないスーツ姿になった頃、彼はようやくその身を起こした。
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