第4話

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「もういいぞ、アザミ」 「はい……」  西園寺のゆるしを得て、アザミが腹の辺りのちからを抜いた。  彼の後孔から漏れた白濁が、シーツの上に染みを作った。アザミがゆっくりと立ち上がると、糸を引くようにそれがぬめり、ポタポタと新たな精液が落ちた。 「縄の痕は、大丈夫か?」 「はい」 「痛むところはないか?」 「はい」  アザミは西園寺の問いに頷きを返し、白い手首をさすると艶然と微笑した。 「西園寺様。アザミの体はいかがでしたか?」  男娼の質問を、西園寺は鼻で笑う。  良かった、と答えても、男娼の具合がいいのは当然で、大した褒め言葉ではないだろうと思えた。  それとも、マツバよりも良かった、と言わせたいのだろうか。    西園寺がちらとアザミに視線を流すと、アザミは長い睫毛を伏せて瞬いた。そして、うつくしい双眸に西園寺を映し、挑発的に赤い唇を歪める。 「西園寺様。アザミは乳首で達したことなどこれまでに幾度もありますし、縛られることにも慣れております」    西園寺は目を眇めて、(わら)う男娼を睨んだ。   
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