前書き

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 去年3月、ISO45001が発行されてOHSAS18001は2021年に失効することが決まった。だから、当社でも切り替えに向けての検討を進めていて、最近、来年6月にISO45001へ移行することが正式に決まった。移行に向けて、少しずつ他の社員を巻き込みながら活動を進めている。暇そうに見えて、私は結構忙しく仕事している。  上司の思いつきで全く新しい仕事が入ってくることもある。昨年10月から、査察官のような仕事を命じられて試行している。飛行機や新幹線で移動し、そこからレンタカーを借りて一人で現場事務所に入り、長時間滞在してくるという仕事だ。普通の安全巡視は、現地に2時間ほどしか滞在しないし、送り迎えをお願いするので案内された場所しか見ることができない。客のような感じだ。しかし、長期滞在の査察は全く違う。現場の空気を直接感じながら二日間ほど滞在する。若手の従業員と同行して、作業を手伝ったり指導したりすることが多い。私の上司は、「突然現場訪問して喝をいれてこい」という。本社から査察官がやってくれば、現場にいい影響を与えられると思っているようだ。ある意味、無茶ぶりといっていい。私としては、相手に極力迷惑をかけないように綿密に日程調整した上で計画している。かけなくていい迷惑は極力少なくしないと持続性がないと思っている。見せたい所ではなく、隠したいところを見てくるようにという指示を実施するには、現場にとけ込み、意識されないようにするしかない。こういう長期滞在型の査察をすることは、ISO45001の仕組を作るときに役立つと思って2回実施した。正月に入って、立ち消えぎみだが、温かくなったらまた実施するつもりだ。実際には、空港の近くの現場にしか行けていないから、レンタカーで移動した距離は1回二百キロ程度だ。そのうち五百キロを超す査察に行かなくてはいけない。鉄塔の建設現場は半端なく山の中だ。
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