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私は、クリスマスイヴの夜。
一度だけウェディングドレスに袖を通した。
それは…あっというまの時間だった。
三十路になったというのに…彼氏は居て九年経っても結婚まで至らず…精神的にも、限界が来ていた。
そんな矢先、妹が結婚を決め、式場見学に行くと聞き、私も一緒に行くことになった。
そこの式場は、御所が見える絶景の場所だ。
会場を紹介してもらい、妹の結婚式プランが計画されていく。
ここと決めたわけではないが、プランナーと色々話し合いをしていた。
私は、じっと二人の話しを聞いていた。
本当は、妹は婚約者と一緒に来る予定だったが、相手の都合が悪くなって来れなくなった。
代わりに私が一緒に行くことになったのだ。
iPadの画面に、妹の名前と婚約者の名前がローマ字で書かれていた。
私は、切なくなった…。
「本当は…婚約者と来ることになってたのに…申し訳ない…」
嬉しい反面…そんなことを思っていた。
クリスマスの時期もあって、限定のウェディングフェアをやっていて、それを予約したのだ。
私は「ウェディングドレスの試着できる所がいい!!」と、言っていたので、そこを予約してくれたのだ。
コース料理の試食も出来る内容で、そこのレストランで結婚式で出されるコースを試食した。
昼の13時も回り、お腹がペコペコだった。
コースを堪能した後は、式場を案内して貰った。
大人数を呼べる部屋、中くらいの人数を呼べる部屋、少人数を呼べる部屋、小さなチャペルを紹介して貰った。
3Dマッピングが使える部屋で、結婚式のエンドロールの見本を観せて貰った時、感動して涙が出そうになった。
チャペルを案内して貰った時に、バージンロードの意味をプランナーに教えて貰った。
「バージンロードは長ければ長いほどいい。」
「バージンロードは花嫁の人生」
「花嫁は、今までの人生を振り返り、噛み締めて、ゆっくりゆっくり歩く、そして、未来で待っている花婿の元へ行く」
だそうだ。
その意味を知ってるのと知っていないのとでは、全然違うのだそうだ。
私は、それを聞いて感心して、感激した。
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