1.クリスマスイヴ

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
私は、クリスマスイヴの夜。 一度だけウェディングドレスに袖を通した。 それは…あっというまの時間だった。 三十路になったというのに…彼氏は居て九年経っても結婚まで至らず…精神的にも、限界が来ていた。 そんな矢先、妹が結婚を決め、式場見学に行くと聞き、私も一緒に行くことになった。 そこの式場は、御所が見える絶景の場所だ。 会場を紹介してもらい、妹の結婚式プランが計画されていく。 ここと決めたわけではないが、プランナーと色々話し合いをしていた。 私は、じっと二人の話しを聞いていた。 本当は、妹は婚約者と一緒に来る予定だったが、相手の都合が悪くなって来れなくなった。 代わりに私が一緒に行くことになったのだ。 iPadの画面に、妹の名前と婚約者の名前がローマ字で書かれていた。 私は、切なくなった…。 「本当は…婚約者と来ることになってたのに…申し訳ない…」 嬉しい反面…そんなことを思っていた。 クリスマスの時期もあって、限定のウェディングフェアをやっていて、それを予約したのだ。 私は「ウェディングドレスの試着できる所がいい!!」と、言っていたので、そこを予約してくれたのだ。 コース料理の試食も出来る内容で、そこのレストランで結婚式で出されるコースを試食した。 昼の13時も回り、お腹がペコペコだった。 コースを堪能した後は、式場を案内して貰った。 大人数を呼べる部屋、中くらいの人数を呼べる部屋、少人数を呼べる部屋、小さなチャペルを紹介して貰った。 3Dマッピングが使える部屋で、結婚式のエンドロールの見本を観せて貰った時、感動して涙が出そうになった。 チャペルを案内して貰った時に、バージンロードの意味をプランナーに教えて貰った。 「バージンロードは長ければ長いほどいい。」 「バージンロードは花嫁の人生」 「花嫁は、今までの人生を振り返り、噛み締めて、ゆっくりゆっくり歩く、そして、未来で待っている花婿の元へ行く」 だそうだ。 その意味を知ってるのと知っていないのとでは、全然違うのだそうだ。 私は、それを聞いて感心して、感激した。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!