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「おい!山本!話だけでも聞いたらどうだ」
「どうせロクな話じゃないでしょ?僕、今日そんなに時間なくて…」
「話も聞かないうちからそうやって決めつける。君の悪い癖だ。きっと君はその性格のせいで、人生において大きなチャンスをいくつか逃しているような気がするよ」
(いつもロクな話しないくせに何言ってんだよ…)
そう思ったが、ここで帰るといぞうの機嫌が悪くなる。そうなるとさらにうっとしさが増すので山本は話を聞くことにした。
「今日、彼女と7時から約束してるんですが、それに間に合うまでならいいですよ」
山本は彼女の穂花と7時から約束をしていた。今は6時を少し回ったところである。
「時間は取らせない。ネバーランドは知ってるね?」
「はあ…まあ、有名ですからね」
「僕は子供の頃から、いつかネバーランドに行きたいと思っていてね。この歳になった今もそう願い続けているんだよ」
(どこまで痛いんだ、この40歳のおっさんは…)
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