2.ネバーランド

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「いぞうくんいらっしゃい、あら、山本くんお久ぶりね」 二人が店に入るとゆうこが笑顔で迎えてくれた。 「お久しぶりです。でも、今日は約束あって1杯で帰らせてもらいます。すみません」 「そうなんだ。残念。でも、そんな急ぐのに来てくれたってことは、いぞうくんに無理やり連れてこられたんだね、きっと」 「そうなんで…」 「人聞きの悪い。ゆうこちゃん、そんなわけないだろう。山本は僕と飲みたくて、自ら進んできてくれたんだよ」 (そんなわけあるよ…まあでも、ゆうこさんに敢えて説明する必要もないか) 「はいはい。わかりました。何にする?」 「えーと、じゃあ僕ターキーロックで」 「はーい。いぞうくんもバーボン?」 「いや、今日はカクテルにしよう」 「そうなの?珍しいね」 普段、いぞうはウイスキーか焼酎である。カクテルなど滅多に飲まない。 ゆうこが驚くのも無理はなかった。
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