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第4章 孤独
2016年9月 新学期
AM8:10 授業前
教室
先輩とメイちゃんと遊園地を行った後は
何回かメイちゃんとは会って一緒に勉強やご飯とかはしてたらしいけど
僕は一度も会わなかった…
あっという間に夏休みは終わり新学期を迎えた
僕は先輩と遊園地に行った後から
観覧車で泣いていた先輩の顔が1日たりとも頭から離れる事は無かった
どうして先輩は泣いていたのか
楽しいだけであんなに泣くものなのだろうか…?
彼氏と沢山そういう所に行ってるのではないのだろうか?
僕はそんな事ばかりをずっと考えてしまっている
すると
「りっくん?どうしたの?また頭痛いの?」と
相変わらず優しいメイちゃんは僕の頭を撫でて
甘えた口調で語りかけてくれた
なぜだか僕は遊園地に行った後から様子がおかしい
僕は先輩が好きなはずなのに
いつもメイちゃんの優しさにドキッとしてしまう
凄く暖かい気持ちになり直ぐに落ち着いてしまう
僕は…本当に先輩が好きなのだろうか?
何回も自分に問いても答えは返ってこない…
もしこのまま先輩を完全に忘れて
メイちゃんを好きになって
付き合える事になったら
僕はきっと幸せに違いないだろう…
こんなにもほんわかしてて今にでも宙に浮かびそうなこの笑顔に包まれて過ごせるなら何んだって出来る気がする
それなのに
僕はどうして先輩を忘れられないのだろうか…?
なんでこんなにも悩んでいるのだろうか…
こんなにも苦しくなるくらいなら遊園地になんか行かなきゃ良かった
「りっくん?」
黙って伏せてる僕に顔を近付け心配そうに僕の顔を覗き込んできた
そして
僕は顔を上げ「メイちゃん…」と呼びかける
「どうしたの?」とメイちゃんは優しく微笑み
僕の言葉を待っていた
僕は目に涙を浮かべ
メイちゃんに向かって言い放った
「先輩を忘れさせてくれる?」
「え…?」
それに対しメイちゃんの表情はあんなに優しさで溢れ笑顔を放ってたのに僕の一言で一気に暗くなったしまった
僕はバカだ…
メイちゃんの表情を見て察した
あまりにも優しく接してくれるメイちゃんに
ただ1人の大切な友達の為にしてくれてる事を
自分への好意だと勘違いしてたんだと
この時に痛感した…
「…ごめん。忘れて」
僕は次の音楽の授業の為に準備をして
メイちゃんを置いて音楽室へと向かおうとしていた
しかし
「りっくんを好きにさせればいい?」と
真っ直ぐな瞳で僕に返してきた
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