第3章 思い出

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第3章 思い出

2016年8月5日(金) AM:9:45 夏休み 遊園地出入口前 メイちゃんが先輩とダブルデートの約束をし その日がとうとう来てしまった 「りっくん!緊張してるの?」 ソワソワしてる僕にメイちゃんは肩を掴み僕を止めて言った 「メイちゃん、なんでダブルデートなんか…… 僕はこれ以上に先輩の事で傷つきたくないのに」 僕はメイちゃんの行動に理解が出来なかった なぜこんな苦しくなるような事をするんだろうか 彼氏と先輩がイチャつく所なんか見たくない… 「これはりっくんの為だよ?」 「え?」 「先輩はきっと本命が居ないんだよ。 だから今日 連れてくるのもきっと都合が合った人 その人とりっくんのどっちが本物の愛かって事を証明すればいいんだよ!」 メイちゃんはメイちゃんなりに僕を心配して考えてくれてた事が今わかった… メイちゃんはいつもいつも 僕の助けになろうとしてくれる 答えが無いなら一生懸命になって探してくれる メイちゃんは本当に優しい… そうこうしてるうちに先輩は約束の時間から少し遅れやってきた -------- 2016年8月5日(金) AM10:00 夏休み 遊園地出入口前 「ごめーん!待った?」 先輩はピンクのワンピースを着て麦わら帽子を被って駅方面から走ってやってきた 「…綺麗だ」 僕は思わず口に出してしまった 「…りっくん」 メイちゃんは僕を見ていた 先輩が僕達の近くに来てハァハァと息を整えながら 改めて「二人ともごめんねー!でも元気そうで素晴らしいー!」 と笑顔いっぱいだった しかし 先輩の横には誰も居なかった 今日はダブルデートだから居ないのはおかしい もしかしたら遅れて来るのか? 気になるが自分からは言えない すると 「あ、ごめん! 私の彼氏さ都合がつかなくって来れないって! 3人でも大丈夫かな?」 先輩は一人でわざわざ来てくれたみたいだ ダブルデートとわかって一人で来るのだろうか? それとも誘ってくれたのに断るのが申し訳なくて来たのだろうか? それにしても先輩は不思議だ 「あ、先輩がいいなら私は全然! りっく…リタくんは?」 「あ、僕も先輩が良いなら…」 それを聞いた先輩はピョンピョンと跳ね 「やったねー! これでリタくんはハーレムだね笑」と 先輩は僕の横に来て肘で僕のお腹をつついていた ここから3人の長い一日が始まる…
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