第1章 初恋

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第1章 初恋

2027年11月22日 PM4:45 …僕は知らなかった この人と決めた人が好きな人がたった1人 その1人居る事がどれだけ幸せだったのかを 例え結ばれなくても 一緒に居れなくても 振り向いてもらえなくっても …元気に幸せで暮らしててくれるだけで ただそれだけで良かった事を 僕は振られるよりも辛い出来事があるとは 夢にも思っていなかった… 僕は今…丘公園から落ちてゆく夕陽を眺めながら あるレターを握っている 震えが止まらずレターはもうクシャクシャになっていた 僕は数時間前まで普通に仕事をしていた 何も変わらない日常を過ごしていた だけど… ……このレターのお話には伝えなきゃイケない事が山ほどある なので まずは数時間前に(さかのぼ)ろうと思う ------------------------------ 2027年11月22日 PM12:00 僕は現在 大手企業に就職していて そこそこ生活も充実していた しかし 僕には心残りが一つだけあった それは高校の時にずっと好きだった人に送った ラブレターの事だ ラブレターと言ってもメッセージアプリの事 しかし 僕は大学卒業を機にメッセージアプリを封印していた それは告白をして何日 何年と経っても 既読される事は無く 淡い期待をし待つのが辛くて 諦めたかったからだ… だけど 僕の中から好きな人が消えたかと言われれば 全く消えてはいなかった むしろ想いは募るばかりで 忘れたくても彼女との思い出達が僕を逃がしてはくれなかった この時期になると必ずと言っていい程 ある事を思い出す 僕は彼女には振り回され散々だったけど 今日という日に僕は先輩にメッセージアプリで告白している だからいつもこの日に思い出して 息苦しくなるくらいに彼女を愛おしく思ってしまうのだ… もちろん今も思い出して苦しい… 昼休憩で外に出てる僕はカフェで一息ついた時に 告白してからちょうど10年になる事を思い出す そして僕は ずっと何年も封印していたメッセージアプリを開いて 彼女へ送ったメッセージが既読になっているかを確認しようとしていた もし 既読がついていなかったら 10年も経つし今度こそ(いさぎよ)く諦めよう そう覚悟した僕は目を閉じて彼女のアカウントを開き そっと目を開け確認する… しかし、、、 既読はされておらず 送った当時のままだった。。。
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