第3章 思い出

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2016年8月5日(金) PM6:55 遊園地 観覧車の列 フルーツポンチを食べた僕達は あれから再び色んな所へ行って遊び倒していた 疲れ知らずの先輩も流石にクタクタらしい それもそうだ ジェットコースターを5回も1人で乗ったんだから 5回も1人で乗る人 始めて見たくらいだ やっぱり先輩は不思議だ そして 時間も遅くなり暗くなり始めていた頃 最後に観覧車を乗ろうとメイちゃんが提案して3人で並んでいた やっぱり皆 夜景を見たい為にこの時間は物凄く混んでいた それでもメイちゃんも先輩も夜景が見たいと6時から並び始めた この数時間でもうすっかりメイちゃんと先輩は仲良くなっていた 僕はなんだか除け者になってる気がしていた それでも2人が笑顔なら僕も楽しく思えていた こんな時間が長く続けば良いとさえ思っていた こうして並ぶ事1時間 やっと出番が回って来て乗る事に成功した 右側に先輩が座り 左側に僕とメイちゃんが座った すっかり暗くなった外は街頭の灯で街が綺麗に照らされていた 「……綺麗」 先輩はガラスにへばりついて眺めていた 「りっくん…あれ私の街かな?」 メイちゃんは指を指して教えてくれた 特別 何かを話した訳でも無く ただ3人で夜景を見て楽しんでいた すると もうすぐてっぺんになる時に先輩からぐすっと声が聞こえてきた 先輩は外を見ている為 表情が全く見えない でも…泣いてる事は誰にでもわかる事だった しかし 聞いていいのかもわからず 僕はそんな先輩の姿を見てる事しか出来なかった だが メイちゃんは違った 「ユラ先輩? 大丈夫ですか…?」 メイちゃんは先輩の隣の席に移動し頭を撫でいた しばらくすると先輩はメイちゃんの方を向き 目にいっぱいの涙を溜めてこう言った 「……どうしよ。 こんなに幸せだと思ったの……初めてなんだ…涙」 鼻を赤くして精一杯に涙を流すのを我慢してる先輩 それに対し 「ユラ先輩?私も凄く楽しかったし幸せでした。 彼氏さんが来れなかったのに来てくれて、 ありがとうございます。 大切な思い出になりました!」と メイちゃんは先輩に同じ気持ちだと伝え 思いっきり抱きしめた こうして観覧車が終わって外に出ると 先輩の顔はもう酷いことになっていた…笑 そして 3人で駅まで向かい僕とメイちゃんは同じ街なので 違う電車に乗るため先輩とはホームで別れた 「……彼氏か」
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