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今回紹介するのは回文ではなくてタイコメ短歌。一首両詠という超絶技巧を用いた狂歌です。
「 TLSLプロジェクト 達磨が女神に恋してる? in 飛騨神岡 」によります、女神に贈るラブレター 短歌コンクール に応募した作品です。
TLSLとは「Tachidaruma Loves the Statue of Liberty」の略。
募集内容は飛騨市神岡にあります「立ち達磨」が視線の先にある「自由の女神」に恋をしたという設定で達磨から女神に送る恋の歌(短歌)という趣旨になっています。
詳しいことは
https://tachidaruma.wixsite.com/tlsl
こちらをごらんください。
達磨といえば面壁九年、禅の始祖ですから「恋」とか無縁だと思うのですが、それが自由の女神に恋をするという特殊な設定に私は色めきまして、さっそくタイコメの短歌を作ったのでした。
送りと返しで同じ文になるのが回文ですが、タイコメというのは逆さからよむ(返しを読む)と別な文章があらわれるという言語遊戯。タイコメは「鯛釣り船に米押し達磨」という言葉から来たとされ、やはり達磨に縁があります。
丸出しで潰れた欲め業は苦よ威圧も狂いに女神聴く音
(まるだしでつぶれたよくめごうはくよいあつもくるいにめがみきくおと)
まぁ、達磨ですから禅問答じみた内容になりました。これが恋の歌?ってなりますよね。
ではひっくりかえしてみましょう。
遠く君が目に入る苦持つ愛慾は蠢く世たれ仏弟子達磨
(とおくきみがめにいるくもつあいよくはうごめくよたれぶつでしだるま)
直裁に想いを伝える禅師達磨らしいラブレターになりました。
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