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“三つ子の魂百まで”の言葉通りだ。裕子は3歳前後の泣き続ける長男の姿と彼を叱りつけている自分の姿を久々に思い出した。見たわけではないが今日の高野の姿と重なった。
身体の成長と心の成長は別もので根幹は変わらないのだ。
あの頃も頭ごなしに叱る裕子に対し言葉が上手く出てこなくて、ただただ泣き続けていた。10分、20分と経っても泣きやまないので、「まだ泣くの?」と声をかけたら、とがめられた、叱られたと思ったのかその一言で、再び火がついたように泣き出すのだった。それでまた30分。結局、泣きやんで落ち着くまでに小1時間かかってしまうのだった。
彼が落ち着くのを別のことをしながら待って、何故いけないのかを話すと、ちゃんとわかるのだ。誠也が泣く理由は憤怒、悔しさからで、怒りにさえ固執する、しつこい性格なのだとわかるまで母親である裕子でもかなり時間がかかった。誠也は悔し涙を流しながら、どうして、何故自分がこんな目にあうのかと考えていたのかもしれない。
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