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「再テストから逃げたことを注意したら、わめきだして、机の脚を蹴って、蹴り倒して帰って行こうとしたのでつかまえて押さえつけました。泣いてあばれて私の言うことに耳を貸しません。もう大変でした」
「すみません」
とりあえず、裕子はあやまったが、「ごめんなさい」とは言う気には何故かなれなかった。
「一生懸命にお話したのですが、泣きやまず全く私の言うことを聞こうとしません。そんな時お母さんはどうしてるんですか?」
「ほうっておきます」
「ほうっておくんですか? 叱らずに?」
「はい、泣きわめいてる子に何を言ってもとどきません、興奮していますから。泣きやむのを待ってから話をします」
「それでいいんですか? とにかくきちんと叱ってください。二度とこんなことがないように」
そんな悠長なことでいいのかと、とがめているのだろう。
「申し訳ありません」
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