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俺は着替えと支度と装備を済ませると、窓から外へ出て、パイプ伝いに屋上に昇った。ハスラーが「きたよ」と合図する。追っ手が部屋の扉の前へやってきたのだろう。テレビやガスはつけっぱなしにして、在宅を装ってある。追っ手はドアを蹴破るか、ドア越しに撃ちまくってくれることだろう。
ハスラーと俺は息を潜め、罠を使うべきタイミングを見計らった。携帯を握り締める。
「今!」
キーを押す。
爆音、爆風。
粉塵になった窓ガラスが外へと吐き出される。
「いぇーい! 殺ったねハニー!」
思わず、俺はハスラーとハイタッチした。
「あ、今のはノーカウント。わたし、スイッチ押してないもん」
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