「非凡な日常」が崩れ去ったら何になるんだろう。

3/12
172人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
_________ あれから、放課後になったらすぐに先生の手伝いに向かわされた。 そこで気付いたことだけど、どうも、先生は始めっから俺に仕事を手伝わせる気満々だったらしい。 先生の机には、もう返せばいいだけのノートや小テスト、さらには生徒が見てもいいのかわからないような書類で一杯だった。『どうせまた寝るから、罰と称して楽をしよう』という魂胆が丸見えだ。 当然、教師のくせにその態度はなんだ!って腹もたつ。だけど、反発をするわけにはいかない。 ここはどんな学力を持っていようと、陰陽師の血筋であれば、不祥事さえ起こさなければ必ず大学まで進学できるという特殊な学校だ。それ故、成績優秀な生徒もいるものの、逆に極端に成績の悪い生徒がいても不思議ではない。 ……つまり、先生の気分次第で成績が簡単に書き変わってしまっても、「また1人不良が増えた」と認識されてしまって、誰も不審には思わないのだ。 それに加えて、俺は他の先生たちからも反感を買っているから、ここでくらい従順でないと、ホントに成績がヤバい。 ……職員室は俺にとって四面楚歌だ。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!