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「神様」や「陰陽師」の存在が公式に認められてから300年。陰陽師ブームの再燃も何回目になろうか、といえるほどニュースのエンタメコーナーで何度も陰陽師について報じられ、イケメン陰陽師たちが女性誌の表紙を軒を連ねて飾っている今日この頃。
世間で300年経っても変わらない人気を誇り続ける陰陽師の家系に俺は生を受けた。
……でも陰陽師になるには生まれ持った力が少な過ぎたらしい。中途半端に「視える」ほどしか力がなくて、生まれた時から俺は出世コースを外れたらしかったが、別にそんなことは気にしてない。
「視える」ことで不便を感じることは多いけれど、それ以外はごくごく平凡な日常を過ごしている。
……いや、やっぱり、平凡だなんて言えないかもしれない。
「桃実(ももざね)!」
今日も担任が怒ったように俺の名字を呼ぶ。
「何回同じ事を言わせるつもりなんだ!寝るなと言っているだろう!」
眠気のあまり机に突っ伏してしまった俺の後頭部を、ぽこり、と出席表で叩かれる感覚、それに続くクラスメイトの笑い声にひどくうんざりする。
これだから、なにも視えない一般クラスは嫌なんだよ…!
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