非凡な日常

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______ 夜は寮の自室に帰る。 基本寮は二人部屋だけど、俺がいる部屋は必ずポルターガイストが起こるって噂になってからは誰も寄り付かなくなって、今、俺は一人部屋で生活してる。 ポルターガイストの正体は言わずもがな、梟のことだ。 皆には梟が視えないから物が空中で浮遊してるように見えるんだとか。 ……まあ、とりあえずそのことはおいておこう。 今日、先生を怒らせたから(毎日だけども)、宿題を他人より沢山課されてしまった。 梟に恨み言を言っても仕方がないし、諦めて宿題に取りかかろうとした。 すると、梟はこの部屋の定位置、普段点けることのないベッド脇にあるライトの方に飛んで行った。 梟はこの部屋に入ると、気分によって時間は変わるみたいだけど、それでも、必ず俺が寝るまでにはこの定位置に居座っている。 「……もしかしたら、あの猛烈な眠気は梟のせいじゃなくて、ただ単に俺が寝坊助なだけだったりすんのかな?」 梟が飛んで行ったのを見て、なんとなく、誰に言うでもなく、ただ独りごちたつもりだったが、辺りが暗くなって、日中は閉じられていた瞼をぱっちりと大きく開いている梟が、独り言に反応したように小さく「ぴぃ」と鳴いた。
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