雨が好き

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 「今日どっか食べに行くか」  「えー、お前の手料理食べたい」  「ほんまに、じゃあ材料買いに行こか」  「しゃあないから着いてったろ」  「やっぱ雑菜にしよ」  「兄貴ぃ」  そんなあほみたいな会話をしながら家を出る。  さっきまでのが嘘だったみたいに晴れ、赤らむ空は、わずかに残った薄い雲に紅を写している。太陽がまた明日と眼下の全てに橙のキスをして去っていく。  手を繋ごう。あと少しだけ。あの太陽が沈んだら。
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