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「アルトの嫁入り先。その候補者選びをそろそろ始めておくれ」
「なにっ!?」
真っ先に身を乗り出したのは、グランドだった。
「親父殿。待ってくれ。本当に待ってくれよっ。
あれはまだ十七歳だ。早いって。おれもセレナも、
まだ心の準備ができてねぇっ!」
「候補が揃うまで二、三年かかろう。
その間に、しておくことだ。
選考作業はお前とセレナに任せる。
寂しいことだが、ワシらはこれでも、貴族なのでな」
「うぐ……っ。ぐぐぐっ」
「あの、グランド――」
「ローク」
スカイラインが静かに声をかけると、学院長がびくりと背筋を伸ばした。
「すべては星の巡りのままに、だ」
〈了〉
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