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グランドの怒声に、副学院長は悲鳴にしか聞こえない返事をして、重厚なドアを押し開けた。たちまちその背中を押しのけて、グランドは室内に呼ばわった。
「ロぉークっ! ダイヤクロウ学院長、いるかーっ!」
狂暴な来客を渋しぶ受け入れた学院長執務室は、膨大な書物に埋め尽くされた部屋だった。八角形の間取り。うち壁七面が天井までそびえる巨大な本棚であった。
ドーム状の天窓から降り注ぐ光により、部屋は思いのほか明るい。
室内中央には、重厚な大執務机。
背もたれの高いイスに、ちょこんっと法衣をまとった少年が座る。
「おやおや。凱旋報告にしては、やけに荒れてるじゃないの。グランド閣下」
羽ペンをインク瓶につける姿がどことなくジジ臭い。
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