170人が本棚に入れています
本棚に追加
「魔法の実技演習の追試験は毎年、彼女だけ異例の三度もやったよ。その最終結果がそれさ。
立会人は、僕らもしってる当学院が誇る上級魔術師。目も頭もまだまだボケちゃくれないよ」
「そんな。これをそのまま信じろってのか。……まるで兵站(戦場での補給支援のこと)を切られて、糧食が尽きちまった気分だ」
「だろうね。心中お察しするよ。ブランデー、飲みかけがあるけど、いるかい?」
「いらねぇよ……。飲んだところで、この絶望が和らいじゃあくれねぇ。ていうか、お前。酒なんか呑めないだろう」
「うん、マーチンの。こっそり没収ね」
哀れな、副学院長だ。せめて帰りは優しく声をかけてやろう。
最初のコメントを投稿しよう!