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それから執務室は少しの間、静寂が支配した。
グランドは左右の膝に両肘をのせて頭を抱え、押し黙っている。
ロークワゴンはその間、机の事務を粛々とこなしていった。
二人の沈黙が破られたのは、外からお茶を持った秘書が叩いた扉のノック音だった。
「失礼いたします」
「休憩中にごめんね。パレット。ちょうど喉が渇いていたところだよ。
グランド。パレット特製のハーブティが来たから、少し気持ちを切り替えようじゃないか」
「なあ、ローク……あれは、レイヴンハートなんだぞ?」
ここしばらく見なかった、いとこの悲愴な無精顔に、ロークワゴンは秘書から茶器を受け取りつつ真摯に頷いた。
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