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この王国ダリアに君臨する【四双家】の家名を持ったまま、魔法を必要としない国政省庁に行くことは事実上、不可能だ」
グランドはとどめを刺されたように、がっくりとうなだれた。
「すべては血か。この期に及んで……お前は、おれに女房の不貞でも疑えってのか?」
「あっははは。ナーンセンス!」
ロークワゴンは、腹を押さえて子供みたいに肘置きを叩いた。
「〝隠密公〟自身が、ぼくら以上に自分たちの血統しか信じてない偏屈屋だ。だから妹のセレナをきみに手放しもしたんだろう?
建国から一五〇〇年。僕ら【両双家】が常に近親交配でやってこれたわけでもない。外からの血も入れなければ、とっくに滅んでたよ。
他国との政略結婚上等。恋愛結婚にしたって、相手の血統を隅から隅まで調べて、ここまでやって来れたわけだからね」
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