第2章 禁断の味は、冒険の始まり

22/23
169人が本棚に入れています
本棚に追加
/506ページ
「演算している? もう論証があるのか」 「あ、いえ。まだ机上演算の、〝錬成術式回路〟(フォーミュラ・サーキット)だけです。  私には、マナがありませんから……。  臨床実験で、どなたか使っていただければ」 「ばかもん」  父は優しげな声で叱った。  それでもアルトは首をすぼめてしまうのは、  自分でも仕方がないと思っていた。 「我が家には一人、(くさ)るほどマナが有り余って  トグロを巻いている奴がいるじゃねぇか。  アレを連れ立って実験データをまとめてみろ。  国立枢機院から誰か風属性の魔法術式に詳しいヤツもつけてやるか。  アレは魔法の発動は有能だが、理屈がお話になねぇからな。  知識の助手は務まらねぇよ」
/506ページ

最初のコメントを投稿しよう!