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「はいっ。ありが――」
「ただし!」
父は底意地の悪い笑みを浮かべて、ごつごつとした人差し指を立てた。
「お前の研究が完成した暁には、共同研究者として論文に国立枢機院も名を連ね、その使用権利の一部をもらうぞ」
「うわぁ。ずっこい。軍隊ずっこい!」
ロークワゴン叔父が机を叩いて、子供のような非難を浴びせた。
父もガキ大将の顔で、
「まあ、いいじゃねぇか。枢機院でも通信魔法の研究はやってるが、
根が攻撃特化の魔法ばっかだから、いまだにうまくいってなくてな。
アルトのアイディアを加えてうまくいきゃあ、この先、
アルトの就職先が決まるかも知れねぇだろ?」
そう嘯くグランドの娘を見る目許は、図らずも親らしいことができた達成感で緩んでいた。
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