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「隊長ぉ。あの新入り、いい加減、働かせてくださいよぉ」
部下の苦情に、上司は億劫そうにコーヒーをすすった。
「俺に言わないでよぉ。新人いびりはキミの仕事でしょうが。
彼にもいつもの先輩風、吹かせて来てくれちゃってよぉ」
「嫌ですよ。仕事押しつけたら、魔法で頭吹っ飛ばされそうで」
「あのさ。普段から先輩風ふかせて煙たがられてる自覚あったわけ?
勘弁してよ。愚痴まわって来てんだよぉ、俺ンとこにさぁ」
(――こいつら、アホだろう)
ジューク・レイヴンハート。十七歳。
自分に与えられた席から窓越しに眺める景色も、見慣れてきた。
王都の南西にある旧市街地・パインズ。
その、うらびれた住宅街の古い喫茶店の二階に〈巡察使第881隊パインズ分署〉がある。
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