第3章 巡察使第881隊パインズ分署

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 無論、国立枢機院に属している以上、その全員が魔法学校から推薦状をもらって就職した魔法使いである。  よって、学校というもの自体を卒業していないジュークは、その例外だった。  師であり祖父のスカイラインは、国立枢機院の創設者。その息子のグランドは二代目総裁として軍の統帥権を掌握。兵の士気も高く、政治家としてもその手腕を振るう。  そんな祖父と父を持ち、【両双家】始まって以来の天才と称されるジュークが、閑職(かんしょく)に近い旧市街地の外務分署。第881隊に配属されたのは、国立枢機院の上層幹部を震撼させた。 (――よりにもよって、あそこかよ)  彼らにしてみれば、(わら)ぶき小屋に火薬(だる)をつっこまれたような気分で、炎上必至。延焼必至の部署だったのだ。  その第881隊パインズ分署の隊長の名を、デイズ・ゴトーといった。
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