第1章 マナゼロ優等生

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 クーパー司祭は、王都の中心にある中央公園で、無宿人相手に自然と平和を説き、魔法中心の政治を改め、魔法使いと議会政治を分離すべきという演説を週二回もしているフェード教マクラーレン派のダリア支部長だ。  王国ダリアは公式で宗教の自由を認めている。  だが現在、王都で布教活動を行っているのは、このフェード教しかない。      グランドは過去に一度だけ、とある宗教団体を苛烈(かれつ)に攻め立てて潰滅(かいめつ)に追い込んだことがあった。  その宗教団体は、著者の名前を偽って魔法使いの迫害を煽動助長する著書を出版。一方で、国税庁に黙って密造酒を売り(さば)き、発覚しそうになると修道士たちが市街で暴徒化。  さらに捕らえた暴徒の一人が国家転覆(てんぷく)をほのめかしたことで、国際法上製造禁止の闇属性法具を製造。王都の重要施設に散布しようと(くわだ)ていたことも決行直前に発覚した。
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