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限界集落「老連」
「ここでの生活は最高です。みんな助け合って生きています。老いも若きも協力し合って、最低限自分たちの生活に必要なものをすべてこの中で賄っているんです。」
額に汗して、畑仕事をしながら、若者がいきいきとテレビカメラに向かって話している。テレビインタビューを受けている若者を、遠くから老人たちがニコニコしながら見守っている。
少子高齢化もいよいよ末期症状の昨今、十分な保障も年金もなく、こういった過疎化の進んだ村では老人たちが独自の自治区を形成して暮らしていた。生活はほぼ自給自足。生活するのに最低限のものを自分たちの力で全て賄う。
国の保障が薄い近年、生きるための選択である。また高齢化と同時に、就職難で社会から溢れた若者、いわゆるニートやワーキングプアーの増加も著しく、行き場を失った若者たちがこういった自治区に流れ込んでくるのも珍しくなかった。食えないよりは食えるほうがマシ、生活の知恵は老人から、労働力は若者から。
こういった自治区のことを老連と呼び、全国各地方に点在していた。
「はい、OKです。本日はご協力ありがとうございました。」
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