鳩の恩返し

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俺は、仕方なくチェーンをかけて、玄関を開けた。 「ちょっと気分が悪くて。お水を一杯いただけないでしょうか。」 女は消え入りそうな声でそう言った。俺は訝しげに思いながらも、ちょっと待ってくださいとその場で待たせて、コップに水を汲んできた。 そして、女はコップの水を飲み干すと、そこに座り込んでしまった。 「だ、大丈夫ですか?救急車、呼びましょうか?」 「大丈夫。貧血なんです。しばらくこうしてたら治りますから。」 そういわれても、そこに居座られたら迷惑なんだけどなあ。 俺は仕方なく、チェーンを外すと、女を中に招き入れた。 ふらつく女をまずは、キッチンの椅子に座らせた。 「ほんとうに大丈夫?マジで救急車呼んであげるよ?」 そう言うと、女は頑なに首を横に振った。 「じゃあ、しばらく休んで。隣の部屋にソファーがあるから。横になりなよ。俺は隣の部屋に居るから。」 「ご親切に。ありがとうございます。」 そう言うと、女はソファーに体を横たえた。 よく見れば、かわいい。めちゃくちゃ俺のタイプだ。くりっとした小動物のような大きな目。 簡単に女を中に入れたのは、下心が無かったわけでもない。 結局、その女はソファーで眠ってしまった。     
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