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第42話:レベル42 ダンジョン
遠足の日、僕たち特殊クラスの面々は、王都の南門の前に整列していた。
「今日は絶好の遠足日和ですねえ」
雲ひとつない空を見上げて校長先生が言った。ピエロの校長先生は青空の下が恐ろしく似合わないなと思った。
「全員揃ってますね。じゃあ、出発しますよ」
僕たちは校長先生に導かれ歩き出した。最初は舗装された道を歩いていた。
「道中でモンスターが現れたら皆さんで倒してくださいね。先生は手出ししません」
「はーい」
ちょこちょこ現れるモンスターをみんなが手分けして倒していく。去年の夏休みの合同帰省のようにポールトーマスが上手く指揮をとっていた。僕は一日に使える魔法の回数が限られているため、ここでは魔法は使わないように言われた。今はまだ遠足の序盤であり、目的地がわからない段階だからだ。
「王都から南に向かってるけど、この先って何があるの?」
特殊クラスで唯一南地方出身のリリイに聞いた。
「この先だと……近くに小さな村があるぐらいだけど……」
荷物は日帰り遠足の量でよいと言われていたし、そんなに遠くには行かないはずだ。恐ろしいモンスターが出るような森などもこのあたりにはない。だとするとどこに行くんだろう。
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