第42話:レベル42 ダンジョン

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 道から少しそれたところに、小さな小屋があった。看板から見て宿のようだ。 「皆さん、目的地はあの宿です」  と校長先生は言った。 「宿泊地が宿じゃなくて、目的地が宿……?」  ポールトーマスを始め、皆が怪訝に思った。今日は泊りがけの遠足ではないはずだけど……。  宿についた。その宿は、かなりボロい建物で、人が住んでいるとはとても思えないところだった。窓は割れていたし、建物は蔦で覆われている。 「ドアが開きませんね」  ドアも蔦に覆われ、開きそうにない。 「先生、ここ中に人いるんですか?」  トイが聞くと、校長先生は、 「いますよ」  と答えたが、このドアから宿主はどうやって出入りしているのだろうか。 「蔦、枯らしましょうか」  僕が聞くと、校長先生ではなく生徒同士で決めろと言われたので、ポールトーマスが指示した。 「キルル、頼むよ。あまり魔力使いすぎないでね」 「わかった」  僕は即死魔法を狭い範囲で発動した。ドアの周りの蔦が枯れて茶色く変色する。みんなで枯れた蔦をどかして、ようやくドアが開いた。  ドアを開くと、中は真っ暗で何もない空間だった。明らかに普通の宿じゃない。みんな身構えて警戒した。 「おおー! みんな、よく来なすった!」  暗闇から突然おじいさんが現れた。真っ白なあごひげを地面まで伸ばした、二百歳ぐらいに見えるおじいさんだった。枯れ木なのかロッドなのかよくわからない枝を手に持っている。  
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