第6話:レベル6 殺しの扉

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「あ、ああ、気持ちはわからなくもないけど、そのまま持って帰っても腐っちゃうよ」 「たしかに、困ったな」 「こういうのは、剥製にしてもらうか、薬品に浸けて液浸標本にしてもらうといいんじゃないかな」 「なるほど、そういうことも勉強しておくんだったな……」  スーはやはりいろいろ知っていると思った。 「だけど、どこで剥製にしてくれるのか知らないや。また調べておいてあげるよ」 「ああ。とりあえずこれは、持って帰るよ」 「ええ?」  最初の会話に戻ってしまった。またしばらく沈黙になった。 「一日部屋で眺めるぐらい大丈夫でしょ。明日に剥製にできるならするし、先に腐りそうなら埋葬するよ。残りの二匹ももらっていい?」 「ああ。いいよ」  僕は、ネズミの死骸一つと、籠に入った生きたネズミ二匹を携え、すぐに寮の部屋に帰った。新しい呪文を使ったため、久しぶりに疲弊していた。
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